第6回・つるぎ学講座
美馬郡つるぎ町を中心とする世界に誇る「にし阿波」の歴史・文化・世界農業遺産を学習し、地域づくりや新産業の創出に役立てましょう。また、参加者の交流により、地域創生に向けたネットワークを構築しましょう。最新情報を交え講座を行います。
・日時-4月26日(土) 14:00~16:00
・場所-「貞光ゆうゆう館」(つるぎ町貞光字大須賀11-1)
・主催-剣山系未来づくり実行委員会
・受講費 500円(資料代)
・問い合わせ 同実行委員会 枋谷 ☎090-5144-4896
横野 ☎0883-62-2928
・講師 林 博章(環境人類学博士)
2022年にIOUF(アメリカ)及びアステカ大学(メキシコ)より二重博士号(環境人類学・環境学)を取得。2021年より徳島大学非常勤講師。2023年に徳島大学から教養教育賞を受賞。古代史研究家・忌部文化研究会会長。2011年に鳴門海峡と渦潮の世界遺産化、2012年に徳島剣山系の世界農業遺産化を提言。学際的視座から忌部や持続可能な社会に関する研究を進めている。

日本最大の雑穀・干物王国・剣山系の復活!
●「にし阿波」の伝統農業(忌部農業)は、「にし阿波の傾斜地農耕システム」として、2018年に国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に認定された。そこで評価された農文化の一つが雑穀と干物文化であった。
●剣山系の農業の歴史は焼畑農業を起源に約3000年の歴史を有し、現在でもその伝統を引き継ぐ雑穀栽培が卓越し、それは「食の世界遺産」に指定された。また、剣山系では、秋から冬場にかけ、これら雑穀や穀物・野菜・果樹類を干して乾燥させ、多種多様な保存食や健康食を作る農文化が顕著にみられる。剣山系はいわば日本最大の「雑穀王国」・「干物王国」(保存・健康食王国)であり、それは、伝統的な危機管理システムが今でも機能している証でもある。その剣山系の卓越した雑穀・干物王国を支える農文化が[ハデ]であり、急傾斜地と民家、民家基部の高石垣、[ハデ]がセットとなり、剣山系特有の農村景観を形成している。剣山系の多様な干物・保存食文化の生かし方、世界的なスローフード観光・産業化戦略等について語る。




